2007年5月30日水曜日
20070530読もう12
友人のAは、医師であるBがうらやましいと言う。「Bには、医大に進んだ息子に与えてやれる専門知識があり、技術があり、処世術があり、人脈があり、設備があり、資産がある。彼は息子にとって大きな存在であり続けられる。それに引き換え、会社員である自分には息子に与えてやれる専門知識も技術もなければ資産もない。将来、成人した息子にとって、自分は単にうっとうしいだけの存在になってしまうかもしれない」と言うのだ。 Aに限らず、世の多くの父親は、Aと同様な思いを胸の奥底に抱いているのではあるまいか。Aの悲しみは、数年前までの私自身の悲しみでもあったのだ。 「それなら、せめて息子に自分の楽しみを教えたらどうだろう。自然に接する楽しみ、優れた文学や音楽や美術に触れる楽しみ、ものを作る楽しみ、スポーツの楽しみ...。何でもいい、人生にはこんな楽しみ方もあるのだということを息子に伝えてやれたら、それが彼の生活の潤い、仕事に行き詰ったときの救いとなってくれるかもしれない。すくなくとも僕はそう思いながら、星を見に息子を山へ連れて行ってるんだ。」と私はAに言った。* うっとうしい:気が重くなる* あるまいか:ないだろうか* 行き詰まる:どう進んだらいいか分からなくなる。 問1:「それ」とは具体的に何を指すか? 1. Bが医師であること。 2. Bが医大に進んだ息子をもっていること。 3. Bには息子に残してやれるものがたくさんあること。 4. 自分が医師ではないこと。 問2:「それなら」とは具体的にどういう意味か? 1. Bが父親として大きな存在であり続けられるなら。 2. 息子に与えてやれる専門知識や技術や資産をAが持っていないなら。 3. 将来自分が、息子にとってうっとうしいだけの存在になるなら。 4. Aの悲しみが筆者の悲しみとおなじなら。 問3:「そう思いながら」の具体的な内容は何か? 1. 人生にはいろいろな楽しみ方があるのだ、と思いながら。 2. 息子と共通の楽しみを持ちたい、と思いながら。 3. 自分の教えた楽しみが息子の役に立つかもしれない、と思いながら。 4. 山で息子と共に見る星はすばらしい、と思いながら。 正解:3、2、3
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